Audacityのリバーブの使い方

Gverb

リバーブは音に残響音を加えて部屋の鳴りをシミュレートするエフェクトです。
残響音とはコンサートホールやお風呂場などの音の響きのことです。

Audacityでは「エフェクト」の中に「Gverb」というリバーブが用意されています。
リバーブ

各設定の意味は以下の通りです。

Roomsize
ルームサイズ。
単位はメートル。
(50なら50m四方の部屋)
数値が大きいほど広い部屋を再現します。
全体に与える影響が大きいので最初に設定しましょう。
Reverb time
リバーブタイム。
単位は秒。
(1.0なら1秒)
残響音の長さを調整します。
Damping
ダンピング(減衰)。
単位は%。
(0.5なら50%)
残響音の音質を調整します。
数値が高いほど強く減衰するため、響きが弱くなります。
Input bandwidth
インプットバンドワイズ。
単位は%。
(0.5なら50%)
エフェクターに入力される音の音質を調整します。
値が小さいほどこもった感じの音になります。
Dry signal level
ドライシグナルレベル。
単位はデシベル(dB)。
リバーブのまったくかかっていない、原音の音量を設定します。
Early reflectiion level
アーリーリフレクションレベル。
単位はデシベル(dB)。
初期反射音の音量を設定します。
Tail Level
テールレベル。
単位はデシベル(dB)。
メインとなる残響音の音量を設定します。

通常のボーカル曲の場合、ルームサイズは30~100程度で良いでしょう。
狭い部屋や広いホールを再現したい場合などはここで設定します。

リバーブタイムは0.5~2秒程度がおすすめです。
バラードなどの場合でも長くても3秒程度にとどめたほうが無難です。
あまり長くしすぎるとほかの音に影響して響きがにごりやすいです。

DampingとInput bandwidthはそれぞれ音質を調整するのですが、わからない場合は特にいじらなくてもいいです。
Dampingは大体0.5前後、Input bandwidthは1でいいでしょう。
やわらかい残響音にしたい場合はDampingを上げるといいです。

Dry signal levelは原音(リバーブなし)の音量を設定します。
常に最大でかまいません。
数値を低くすると遠くで鳴っているような効果を出すことができます。

アーリーリフレクションとは、初期反射音のことです。
リバーブというのは音が壁などに反射して跳ね返って来た音の集合です。
反射は1回だけではなく無数に発生し、それが長い残響音を作り出します。
アーリーリフレクションは反射の中でも初期の反射音、つまり反射回数がごく少ない状態で返ってきた反射音のことです。

それに対してテール(リバーブテール)はアーリーリフレクション以外の、何度も壁に反射して返ってきた音のことです。

図解すると以下のようになります。
リバーブの図解

アーリーリフレクションは独特の力強さ、派手さがある音なのですが曲によってはなじまないことも多いので、基本は最小値(-70)でかまいません。
一度試してみて曲に合うか合わないかを判断しましょう。
テールレベルは最大値(0)にしてください。

またAudacityのGverbにはイニシャルディレイとリバーブディレイの設定はありません。

リバーブは効果がわかりやすく、気持ちがいいエフェクトなので初心者ほど掛けすぎになってしまいます。
掛けすぎると音がにごる、声が浮く原因になるので、気持ち薄めに掛けてちょうどいいくらいです。